中央研修会

 

平成25年11月19日~20日に延暦寺会館にて中央研修会が開催されました。

 

 第一講目の講師には大正大学名誉教授多田孝文先生をお招きしました。東日本大震災発生時、目立った略奪行為もなく、支援物資を整然と受け取る日本人の姿が世界に賞賛されましたが、その行動の精神的ベースには何があるのか。仏教の教えもいかに関わっているのかを解説いただきました。

 

 第二講目の講師には仏教NGOネットワーク(BNN)の自覚大道師をお招きしました。BNNの発行されました『寺院備災ガイドブック』を基に、災害に寺院が如何に備えるべきか、また、災害発生時以後寺院が如何に被災者と関わるべきかを講演いただきました。

 

 第三講目の講師には、叡山学院学監桑谷祐顕師をお招きし『慈覚大師和讃』の解説をいただきながら、大師の生涯を大変わかりやすくご講義いただきました。

 

 東日本大震災発生から、丸三年が経過しようとしている今日、その震災から学び、明日起こるかもしれない災害に適切に備え、多くの人々を守る事が私たちに与えられた大きな使命であると思います。天台宗としても『災害対策マニュアル』の作成に向け、鋭意作業をすすめておりますが、教師一人一人の防災、備災の意識向上なくして有効な活用はできません。この中央研修会に参加された方の意識が少しでも向上したのであれば、その目的は達成できたのではないでしょうか。