阪神淡路大震災被災者支援活動

1995/01/17/05:46 … We can't forget

「神戸を忘れていないか?」

 「きみは神戸を忘れていないか」 こんな書き出しで始まる記事をみかけました。神戸はもう元気だ、放っておいても大丈夫!という意見に対する内容の記事でした。兵庫県内の新聞各紙にも、既に震災の復興情報はありません。毎日各地で行われるボランティアの活動、行政の相談室、それぞれの新聞社に送られる寄付金などが掲載されていました。
 神戸は元気になったのか? 確かに街は復興し、新しい家がどんどん建ち、商店は日常の営業を取り戻し、レストランや盛り場も活気を見せ、元気よく人々が動き回っています。プレハブ造りでも営業を再開した理髪店・喫茶店等々もあります。会話が、笑顔が、自分たちを自ら励まそうとするようにあふれています。
 都会は巨大なエネルギーの塊(かたまり)。何時も活気に満ちあふれ、生き生きとしています。しかし、その塊から放り出され、未だにそのリズムに乗りきれない人たちがいます。長年住み慣れた住居を失い、安住の地から遠く離れた仮設住宅で、孤独と不便な生活に活力を失いかけている高齢者や弱者達がいることを忘れてはいないでしょうか。確かに神戸は元気になりつつありますが、そのような人たちがいることを決して忘れてはなりません。
 被災者の要望は時を経るごとに変化し、資産や補償に関わることに移ってきて、私たちの手の届かないところまできています。これからは特に高齢者など復興のリズムに乗っていけない弱者の支援に目を向けて行きたい。仮設住宅の軟弱な地盤が雨でぬかるみ、歩きにくくなった道を固め、排水溝を造る。必要があれば引っ越しや片づけを手伝い、掃除をする。もっともっと顔の見える、息づかいの感じられる手助けをしていこう。そして、親しく話ができる関係を作って行きたい。
 そんな思いで、私たちは震災以来活動を続けてきました。

(兵庫教区一隅会・青年会事務局)